1月7日

昨日の大雪と打って変わって、雲ひとつない青空。雪が降ったおかげで空気が澄み切っていて、とても心地良い。

 

大宮へ向かう。

行き帰りの電車で『ルイス・カーンの空間構成』(原口秀昭、1998)を読む。

 

 

この本はルイス・カーンの建築作品を空間構成の視点で分析し、図面、特にアクソノメトリック図で視覚的に表現している。と同時に、ミース・コルビュジェ・フランクロイドライト・アアルトの建築作品の空間構成と比較することで各建築家の特質を示そうと試みている。

徹底的に図化し、図で建築を説明しようと努める筆者は素晴らしい。そして、見開きの右ページにテキスト、左ページに図面という紙面構成によって、常にテキストと図面を行き来しながら読めるのが良い。学部3年生や4年生に勧めよう。

今日読んだ1、2章はミースについてである。ミースの作品は(篠原一男と同じく)4つの時期に分けることができ、初期のレンガによる組積造の「壁の空間」から、その中心性の解体、遠心性の獲得を経て、最終的に「水平スラブの空間」の均質性へと収束した。

これまで僕は、ミースの作品を写真でばかり見ていて、図面をきちんと見ていなかったと気づき、猛省した。

「IITクラウンホール」や「国立美術館」(ベルリン)などの透徹した平面は図としての強さと美しさを放っている。一方で、ミース建築にとって重要の要素の一つである各材料の"肌理"は、図面には描かれていない。写真で分かるには分かるが、凹凸や反射を経験することはできない。肌理は実物だけが持っている情報である。