1月12日

大宮へ行く。

 

東京の僕が住んでいるところから大宮へは電車で1時間20分かかる。それだけ離れているから、大宮と最寄り駅の天気が違っていることがしばしばある。数日前は、家を出たときは雪が降っていて地面に積もっていたが、大宮駅の広場に出ると快晴で道路は渇き切っていた。

天気が違っていると、自分がある程度の距離を移動していることを実感できて嬉しい。

 

そういえば北陸新幹線は、関東、長野、新潟、富山で気候が全く違っていて、車窓の景色がどんどん変わっていくのが楽しい。

 

特に、群馬から長野あたりにある長いトンネルを越えると、郊外の街から突然雪国に出る。その劇的な瞬間が好きだ。川端康成もこんなトンネルを経験したのかなと思う。

 

長野の雪は桁違いで、本当に全てが真っ白の世界だ。建物も木も、何かもが、裏側まで、徹底的に白い。発泡スチロールで作る真っ白な敷地模型と同じだ。全部が白に抽象化されると、距離が掴めなくなり、スケールもだんだん混乱してくる。恐怖を感じる。僕はここには住めないな、と思う。

 

またしばらく乗っていると、今度は新潟の糸魚川に出る。地名は川だが、実際は海の街だということを新幹線に乗って実感した。海と街がとっても近くて美しい。僕が乗るときの糸魚川はよく晴れている。海を見るために、金沢方面の時は右側に、上野方面の時は左側に座ると良い。